〒167-0054 東京都杉並区松庵 3-12-22

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about

このたびご縁をいただき「松庵文庫」を開く運びとなりました。

私たち岡崎家の住まいはこのすぐ側で、朝に夕にこの古い家の気配を感じて日々を過ごしてきました。ここで暮らし子どもたちを育てるなかで、私たちはこの築80年とも言われる建物にいつしか「こころの重心」のようなものを感じていたようです。

もともとこの家には音楽家のご夫妻がお住まいでした。ご主人を亡くされたのが2年前。家を手放すことを決められた奥さまに招かれて、はじめて玄関に入った日のことが忘れられません。そこには重厚な時間がありました。柱や梁が、壁が、窓がその豊かな時間をゆっくりと呼吸しているのを感じました。「この家は残さないと!」と思いました。その時「もったいない!」と思う気持ちのその先に「いま」の姿を見ていたのかもしれません。

家を壊して更地にするのはほんの一瞬です。そのあとには小さな家が数棟建つのでしょう。そういう風景をこれまで何度も見てきました。それでいいの? と心のどこかが言っていました。私たちのくらしから、この古い家の気配が消えてもいいの? そう思うと「こころの重心」を失うような、言いようのないあせりを感じました。

それからは無我夢中で、今日を迎えました。

「文庫」という私たちには少々大それた言葉には「まなびの場」という意味を込めたつもりです。「本」が智慧の宝庫であるように、私たちは「人」もまた智慧の宝庫だと思っています。「人」が集い「智慧」が積み重なっていく「文庫」というイメージです。それが子どもたちの時代の豊かさにつながれば、という思いもあります。

ここからは皆さんにお願いです。この「松庵文庫」に、皆さんのお力と智慧をお貸しください。少しずつ少しずつ、落ち葉が土を作るように、皆さんと一緒にこの場所を育てていきたいと思っています。

私たち家族はあくまでこの場所の「守り人」です。皆さんがいつも気持ちよく集えるように、この場所を整えてお待ちしています。

2013年7月5日

松庵文庫/岡崎 友美